981 コルトレーン「ワイズワン」
 オルトフォン2M Bronzeがトレースしているのは、インパルス盤「クレッセント」A面2曲目。この至高のバラード、堂々と毅然としてクールな佇まいのなかに揺らぐ息吹まで忍ばせていて、個人的にはコルトレーンのベストパフォーマンスと思っている。
オルトフォン2M Bronze、思ったとおり"Kontrapunkt a"と似たテイストだ。較べると重心がほんの少し上にずれるように感じたが、精緻に音溝をトレースする様は同等。ムービングマグネット型ピックアップがこれほど進化していたとは知らなかった。内声部の混濁感も高域のヘタリ感も遠い昔なのか。コルトレーンのリードの響きの中心核にきっちりピントが合い、周囲に拡散・浸透するフォースが目に見えるようだ。
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