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2006/12/09
797 絶品!高尾懺悔

さきにご案内した、紀尾井ホールの演奏会。
ぼくは創作邦楽ってものが、さっぱり理解できないので、アタマの創作二曲はほぼ微睡みのなかにいた。っていうか聴いていてなにか恥ずかしくなるのよね(笑)
目的は最後の「高尾懺悔」だけ。

この曲は、数多くの長唄のなかでもいちばん好きな作品だ。
若かりしころ、今回のリサイタルの師匠に唄と三味線を習っていて、24歳のとき止める決心をしたのだが、最後にこちらからリクエストして教えてもらったのが、この曲だった。

冒頭の三味線の前弾きは、聴かせどころなので、思い入れたっぷりに陰々滅々っぽくなるところを、今回、至極アッサリ入ってきた。それも二挺のユニゾンで。
立唄の宮田哲男氏も重くならずに、でも軽いわけじゃなく入魂の唄いっぷり。年老いても色気がある。このコンビの演奏は数え切れないくらい聴いているが、今回は最高の成果と思った。
全曲三下がりでケレンのない楽曲なので、テンポ配分を誤ると間延びしてしまうが、さすが政太郎氏、音のドラマをきっちり作った。

この曲は戦後すぐに録音された、芳村伊四郎(のちの伊十郎)と稀音家六治(のちの山田抄太郎)の演奏が有名なのだが、遊女高尾の亡霊の儚さの表現では、今日ここで聴いた演奏が勝っていると確信した。
それにしても2006年の日本で、形骸化してしまったと思われる古典三味線音楽が、このような深い音楽表現をしたことに驚かずにはいられない。



2006/12/04
796 基準レベルにおけるレンズとCDの共通性

近年のCDの録音レベルの高さ(クオリティのことではなく
音圧のことです)は、ピークマージンの少なさと同義だと思っているが、カメラレンズもそういう傾向にあるようだ。

とにかくクッキリ明るくというトレンドなのか、シグマ17-70mmにもそういう匂いはあるが、キヤノンEF-S17-85mmはいっそう顕著で、驚いた。中間調にしっかりしたトーンなければ、伸びやかな光彩を表現できないはず。
トーンカーブのミディアム域を下げることで対処したけれど、こりゃダメだわ(泣
http://www.vvvvv.net/2006/12_1/

面白いのは、最近のCDを聴いて感じることと似ています。ピークが伸びないくせにいつも明るい。。。



2006/12/21
795 美空ひばりの「あきれたブギ」なんて・・・

知る人は少ないと思うけれど、凄いリズム感に圧倒される。
このレコードは映画"とんぼ返り道中"の挿入歌で、「越後獅子の唄」のB面という成り立ちだ。もちろんSP盤(78回転)で1951年ごろの録音。

かの平岡正明氏は、ひばりのジャズヴォーカル(とくに"上海"ですか)を絶賛していたが、ぼくは全然評価しない。あれはまがいものだと思う。まして"A列車"のスキャットなんて聴くのが恥ずかしいくらい。
であるが、この「あきれたブギ」は笠置シズ子を規範とする純正リズム歌謡で、たぶん16才くらいだったのだろう。天衣無縫で質量を感じさせない歌唱。例えれば、去年あたりの浅田真央ちゃんの自在さに近いものがあると思う。



2006/12/02
794 ビリー・ホリデイ、遠くをみる眼差し

UAの"cure jazz"を毎晩聴いている。そのなかにビリー・ホリデイの名唄で知られる「I'll be seeing you」が入っている。いままでの彼女と違うひたむきさが潜んでいてかなりの聴きものだ。基音にこれだけの色彩を織り込める歌手は他にいないだろう。日本には、ね。ただ惜しむらくはビーリーの声を研究しすぎた(笑)
品(しな)は作れても、品(ひん)を育むことは至難だ。ニュアンスをトレースしているから、そうなるんだと思う。ビリーの歌には、はるか彼方を望むような気品がある。

というわけで、カサンドラ・ウイルソンの「奇妙な果実」を聴いた。"新月の娘"というアルバムの一曲目。超カッコいいイントロの次に来る声の深さにノックアウト。Deeeeeeeeeeeeep........
それでも、ビリーにあってカサンドラに無いものが気になった。それは、儚さ・・・たったかもしれない。



2006/11/29
793 UA "cure jazz"

ニッカウヰスキーのCMで
ジャズヴォーカルやって大コケした(ように聴こえた)UAのリベンジJAZZアルバムか?
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000FVQNAU

菊地成孔とのコラボレーションは
出会うべくして出会った感が強いですが
収録時間74分ってのも凄いことですねぇ。
唄はかなりイケてます。
日本語で歌ってくれれば最高レベルだったのに惜しいなあ。
うたの歌詞なんて何語でもいいと思いますけど、
やはり身に付いたものじゃないと、そっちに気がいってしまう
(歌い手も聴き手も)
しかしUAは間違いなく当代唯一の歌姫でしょう。
上手くなりすぎて普通の歌手にはならないでいただきたいですが
このアルバム聴いていて、ちょっと懸念(笑)

マスタリングは近年の常識で、平均レベルをかなり高くとってます。残念!
もう数デジベル下げてピークに余裕もたせればと思いますが、
録音自体はかなりちゃんとしていると思えます。
HDのデータはそのまま保存しておいてほしいですね(笑)
うちみたいにFレンジが狭くて、Dレンジの広さで情報量をかたち作っている装置には厳しいです。
ソースのマス目と装置のマス目が全然ちがうので、
ボケ気味になっちゃう、ということに最近、気が付きました。
ワイドレンジが欲しいわけではないのですが、
こういうイマ風のサウンドを無視もできんしなあ・・・



2006/11/27
792 清楚なだけじゃない、ボディがあって血がながれているプリマだった。

アンサンブル「プリマドンナ」をコアにするAionさんのオーディオシステム。クールな佇まいとはうらはらに音楽の高揚感を美味く表現することに、ちょっと驚いてしまった。これはヴェルディの序曲もピアソラも、UAも、音の表層ではない表現者の内部のベクトルをあらわしたという意味で、十分な音楽再現装置になっていると感じたわけだ(なまいきな言い方、スミマセン・・・笑)

たかだか10cmのユニットがかなりの音量域でストレスをそれほど感じいさせないことも驚きだったけけれど、それはどうでもよいことかもしれない。この機器たちを選び、求める音楽再生を実現するAionさんの生き方とか費やしたであろう多大な日々に、とても興味が行くし共感できる部分を多く感じたことの方が重要だと思う。

この日は、かの早瀬さんご夫妻も同席していたので、彼のHPでの記述も待ち遠しいところだけれど、夕食時のみなさんのディープな会話も超面白かった。音を表すコトバの議論、音質はほんとうに大切なのか。そしてAionさんのフィールドである表現とアートの狭間etc...こういうのはオーディオ雑誌にはないからねぇ。



2006/11/27
791 終わりの始まり?

藤沢在住のAionさん宅へ向かう途中の光景。

を・・・1

とっさに撮ろうと思ってバックをカメラから取り出す。おっと、慌てるな(笑)
しかし、24-70mmでは機敏に撮れないのよね。
といってEF-Sレンズはどうも買う気になれませんねぇ。
17-40mmLはいい感じに合いそうかな。

Aionさんのところには1時間遅れで到着。スミマセンでした。
で、オーディオ演奏は素晴らしいものだった。
やはり達人の鳴らす再生音楽はいろいろな意味で勉強になる。



2006/11/20
790 山口孝さんのピアソラ鑑賞会 etc...

白金のインテリアショップDEVANTとタイムロードの共催によるイベントに行ってきた。
解説は山口孝さんで、さきに行われた輸入オーディオショーと同様に「ピアソラ」の魅力を味わうという主旨だ。
あいにくの雨でというか、オーディオマニア向けの告知をしていなかったせいか、参加者が少なかったのが残念だったが、内容は密度一杯の超濃厚なもの。使用したブルガリア製の小型スピーカEBTBが信じられないくらい熱く、鮮烈な音を放っていたのも印象的だった。ピアソラの音楽のうねりに圧倒された。
クレーメルのソロも鳥肌ものだったが、やはりピアソラ・キンテートだ。このVnの猥雑で澱を含んだ音色と揺れる震える感触は他に得難い。
あと、初めて聴いたのだが、Assad兄弟のギターとNadia Salemo-SonnenbergのVnのトリオの矢を射るような表現に聞き惚れた。これは常備しておく必要がある。
いつもながら、山口氏の熱意あふれる解説は面白く、かつ刺激的だ。彼流の「20世紀の音楽」を継続的にやってほしいとリクエストしておいた。




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