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2006/12/17
799 10mm厚ウレタンフォームが・・・

東急ハンズのマテリアル売り場、
二液混合型ウレタンスプレーを求めた帰り道、名前が似ていてカタチはまったく異なるウレタンフォームに目がとまってしまった。

オーディオfix宣言をしたばかりなのに、またぞろアイデアが浮かんだ(笑)
ウーファーホーンにこれで蓋をしてみようと考えた。

わが家のALTEC-515Bはネットワークなしのスルー使いだから、メカニカルフィルタがあるとはいえ、高域の漏れは尋常ではない。802Dと重なる帯域は音の滲みとして関知できるもののそれが「悪」なのかどうかは単純には結論が出ない。10年前にも数々の対策を試みて、そのほとんどを却下してきた。
音の勢いを殺いではならないという原則があることと2ウエイのまとめ方として、双方を滲ませて融和させる手法が好きだという理由による。

でも、あれから10年経過して当時のサウンドから大幅に変化しているので新たな発見があるかもしれないし・・・。

事務所に戻って、このウレタンフォームをボーズSPの前に覆って試してみると、中高域が想像の範囲内で減衰することが分かった。これは使えるかもしれない(つづく)



2006/12/13
798 "20 years later"

バイ・ワイヤリング問題も解決して、現状でFIXというオーディオライフが戻ってきた。
AUDIO BASIC誌付録CDの金管五重奏クリスマス名曲集を聴いていたら、娘が「そんなの聴くんだったら、あれ掛けて。」
"あれ"で分かってしまうところがやはり親子か(笑)あれとは娘が2歳のころに買ったクリスマス名曲集のことで、島田祐子と東京少年少女合唱団のCDだ。ジャケットに子供向けと表示してあるが、キャロルやゴスペルもナンバーに加わっていてオトナが聴いても十分楽しめる演奏になっている。

聴き馴染んだ音盤を長いブランクのあとに掛けると、つい意識がサウンドクオリティの新旧比較に向かってしまうのは、やはり病か。しかし良い音になったもんだと嬉しくなった。当時の装置はフィリップスCD34にラックスL550、スピーカーはタンノイHPDレキュタンギュラーヨークで、クラシック系はそれなりに良い音であったのだが、いまここで響いている音は数段上をいっている。それに、こんなにも素晴らしい録音だとは気がつかなかった。声質のばらばらな子供たちのハーモニーが妙にリアルで、空間でモアレを起こすようなざわめいた響きが、インティメートな雰囲気をいっそう盛り上げた。

さわりだけと思っていたのに、つい全曲聴き通してしまった。オーディオのこともそうだが、我々家族のけして平坦ではなかった20年の生活を思い起こしてしまい、ちょっとウルウルになりそう。。。こりゃヤバイぞぉ。



2006/12/09
797 絶品!高尾懺悔

さきにご案内した、紀尾井ホールの演奏会。
ぼくは創作邦楽ってものが、さっぱり理解できないので、アタマの創作二曲はほぼ微睡みのなかにいた。っていうか聴いていてなにか恥ずかしくなるのよね(笑)
目的は最後の「高尾懺悔」だけ。

この曲は、数多くの長唄のなかでもいちばん好きな作品だ。
若かりしころ、今回のリサイタルの師匠に唄と三味線を習っていて、24歳のとき止める決心をしたのだが、最後にこちらからリクエストして教えてもらったのが、この曲だった。

冒頭の三味線の前弾きは、聴かせどころなので、思い入れたっぷりに陰々滅々っぽくなるところを、今回、至極アッサリ入ってきた。それも二挺のユニゾンで。
立唄の宮田哲男氏も重くならずに、でも軽いわけじゃなく入魂の唄いっぷり。年老いても色気がある。このコンビの演奏は数え切れないくらい聴いているが、今回は最高の成果と思った。
全曲三下がりでケレンのない楽曲なので、テンポ配分を誤ると間延びしてしまうが、さすが政太郎氏、音のドラマをきっちり作った。

この曲は戦後すぐに録音された、芳村伊四郎(のちの伊十郎)と稀音家六治(のちの山田抄太郎)の演奏が有名なのだが、遊女高尾の亡霊の儚さの表現では、今日ここで聴いた演奏が勝っていると確信した。
それにしても2006年の日本で、形骸化してしまったと思われる古典三味線音楽が、このような深い音楽表現をしたことに驚かずにはいられない。



2006/12/04
796 基準レベルにおけるレンズとCDの共通性

近年のCDの録音レベルの高さ(クオリティのことではなく
音圧のことです)は、ピークマージンの少なさと同義だと思っているが、カメラレンズもそういう傾向にあるようだ。

とにかくクッキリ明るくというトレンドなのか、シグマ17-70mmにもそういう匂いはあるが、キヤノンEF-S17-85mmはいっそう顕著で、驚いた。中間調にしっかりしたトーンなければ、伸びやかな光彩を表現できないはず。
トーンカーブのミディアム域を下げることで対処したけれど、こりゃダメだわ(泣
http://www.vvvvv.net/2006/12_1/

面白いのは、最近のCDを聴いて感じることと似ています。ピークが伸びないくせにいつも明るい。。。



2006/12/21
795 美空ひばりの「あきれたブギ」なんて・・・

知る人は少ないと思うけれど、凄いリズム感に圧倒される。
このレコードは映画"とんぼ返り道中"の挿入歌で、「越後獅子の唄」のB面という成り立ちだ。もちろんSP盤(78回転)で1951年ごろの録音。

かの平岡正明氏は、ひばりのジャズヴォーカル(とくに"上海"ですか)を絶賛していたが、ぼくは全然評価しない。あれはまがいものだと思う。まして"A列車"のスキャットなんて聴くのが恥ずかしいくらい。
であるが、この「あきれたブギ」は笠置シズ子を規範とする純正リズム歌謡で、たぶん16才くらいだったのだろう。天衣無縫で質量を感じさせない歌唱。例えれば、去年あたりの浅田真央ちゃんの自在さに近いものがあると思う。



2006/12/02
794 ビリー・ホリデイ、遠くをみる眼差し

UAの"cure jazz"を毎晩聴いている。そのなかにビリー・ホリデイの名唄で知られる「I'll be seeing you」が入っている。いままでの彼女と違うひたむきさが潜んでいてかなりの聴きものだ。基音にこれだけの色彩を織り込める歌手は他にいないだろう。日本には、ね。ただ惜しむらくはビーリーの声を研究しすぎた(笑)
品(しな)は作れても、品(ひん)を育むことは至難だ。ニュアンスをトレースしているから、そうなるんだと思う。ビリーの歌には、はるか彼方を望むような気品がある。

というわけで、カサンドラ・ウイルソンの「奇妙な果実」を聴いた。"新月の娘"というアルバムの一曲目。超カッコいいイントロの次に来る声の深さにノックアウト。Deeeeeeeeeeeeep........
それでも、ビリーにあってカサンドラに無いものが気になった。それは、儚さ・・・たったかもしれない。



2006/11/29
793 UA "cure jazz"

ニッカウヰスキーのCMで
ジャズヴォーカルやって大コケした(ように聴こえた)UAのリベンジJAZZアルバムか?
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000FVQNAU

菊地成孔とのコラボレーションは
出会うべくして出会った感が強いですが
収録時間74分ってのも凄いことですねぇ。
唄はかなりイケてます。
日本語で歌ってくれれば最高レベルだったのに惜しいなあ。
うたの歌詞なんて何語でもいいと思いますけど、
やはり身に付いたものじゃないと、そっちに気がいってしまう
(歌い手も聴き手も)
しかしUAは間違いなく当代唯一の歌姫でしょう。
上手くなりすぎて普通の歌手にはならないでいただきたいですが
このアルバム聴いていて、ちょっと懸念(笑)

マスタリングは近年の常識で、平均レベルをかなり高くとってます。残念!
もう数デジベル下げてピークに余裕もたせればと思いますが、
録音自体はかなりちゃんとしていると思えます。
HDのデータはそのまま保存しておいてほしいですね(笑)
うちみたいにFレンジが狭くて、Dレンジの広さで情報量をかたち作っている装置には厳しいです。
ソースのマス目と装置のマス目が全然ちがうので、
ボケ気味になっちゃう、ということに最近、気が付きました。
ワイドレンジが欲しいわけではないのですが、
こういうイマ風のサウンドを無視もできんしなあ・・・



2006/11/27
792 清楚なだけじゃない、ボディがあって血がながれているプリマだった。

アンサンブル「プリマドンナ」をコアにするAionさんのオーディオシステム。クールな佇まいとはうらはらに音楽の高揚感を美味く表現することに、ちょっと驚いてしまった。これはヴェルディの序曲もピアソラも、UAも、音の表層ではない表現者の内部のベクトルをあらわしたという意味で、十分な音楽再現装置になっていると感じたわけだ(なまいきな言い方、スミマセン・・・笑)

たかだか10cmのユニットがかなりの音量域でストレスをそれほど感じいさせないことも驚きだったけけれど、それはどうでもよいことかもしれない。この機器たちを選び、求める音楽再生を実現するAionさんの生き方とか費やしたであろう多大な日々に、とても興味が行くし共感できる部分を多く感じたことの方が重要だと思う。

この日は、かの早瀬さんご夫妻も同席していたので、彼のHPでの記述も待ち遠しいところだけれど、夕食時のみなさんのディープな会話も超面白かった。音を表すコトバの議論、音質はほんとうに大切なのか。そしてAionさんのフィールドである表現とアートの狭間etc...こういうのはオーディオ雑誌にはないからねぇ。




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