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photo and Text: machinist

047 ドラマーのタイムセンス
ベーシストは近未来の時空に切り込んでスペースを構築する。それらをフィックスし既成事実化するのがドラマーの仕事ではないかと思う。ウイントン・ケリー「KELLY GREAT」のフィリー・ジョー・ジョーンズを聴いていて、アート・ブレイキーのプレイに似ていると思った。ベテランリスナーだったら見当違いを指摘するだろうけど、とにかくそう感じた。ブレイキーはもっと端正で厳密で、較べればちょっとルーズで自在なフィリー・ジョーの奏法は、いっけん正反対に聴こえるかもしれない。でも、音の前後のスペース取りや、パルスを次に繋げたり断ち切ったりするドラム作法に、彼らの意識の向かい方に共通のものを感じた。ことのついでに、ブッカー・リトルとチェット・ベイカーが似ている、なんていうとみんな相手してくれないよねえ・・・
(PENTAX*istD SIGMA 18-50mm/f3.5-5.6DC)
2004/04/26



046 時空の所在
「場」は磁力がなにを媒体にして伝わるのかを考察して生まれた概念らしい。それ自体は見ることも感じることもできないけれど、周囲や他者に影響を与える、いわば「情報網」の柔らかい骨組みのようなものでもあり、情報そのものでもあり、物質のベースでもあるという変幻自在さ。「場所」はいうまでもなく特定されたエリアのことだけど、漢字における「場」と「場所」の使い分けは見事だなあ。
アインシュタインの方程式「E=mc二乗」は、エネルギーと物質はカタチを変えただけの「同じもの」であることを示している。「場」「エネルギー」「物質」はそれぞれが空間濃度のバリエーションでしかないのか。質量が空間をゆがめることは周知として、もしフラットなテンションのない空間というものがあるとすれば、それは虚無(ゼロ)の世界だけれど、いったいどこにあるのだ。膨張しきった宇宙のなれの果てのことか・・・。
(PENTAX*istD SIGMA 18-50mm/f3.5-5.6DC)
2004/04/23



045 精緻の限界点
このページの写真は750×500ピクセル、トータル375,000個の画素で構成されている。ウエブの画像としてはけして小さくはないけれど、目に入る事象を精密に表現するためには大きなハードルだ。遠景の木々の葉やビルのタイルの目地を克明に再現することはもちろんできない。ただし画像情報というのは、解像度と階調の共同作業だから、階調の助けを借りれば最小ピクセルより細いラインを感じさせることができる。例えば「044」のアンテナを吊っている細いワイヤーの表現。目の識別能力が最小レベルの近傍、つまり感じるか感じないかの境目付近では、太さ(位置情報)より明度差に依存することが多いのではないだろうか。同じことはオーディオにもいえると思う。微小音量域では階調をとりわけ重視すべきなのに、なにかにつけ解像度でものごとが決まるというような考え方は残念だ。
(PENTAX*istD SIGMA 18-50mm/f3.5-5.6DC)
2004/04/22



044 フレームの存在 III ズームレンズの憂鬱
オートフォーカスも苦手だけど、ズームレンズはもっと手強い。10倍ズームなんて何を撮っていいのが分からなくなる。写真を撮るということは、4次元世界から時間の断面である一瞬の3次元世界を切り出し、同時にフレームをもって2次元世界に落とし込む作業だ。対象に対してどのようなフレームを適応させるかは、シャッターチャンスと同等の意味をもっている。まあ、僕の場合は両方を瞬時にこなす技量がないだけの話しであって、だから出かけるまえにその日の使用レンズを決めてしまう。自分の目をレンズの焦点距離に似せて相手を物色するんだ。でも使ってみたいズームレンズはある。低倍率の例えば20〜35mmとか、85〜135mmなんてのがあればフレームの微調整としてフィットしそうな気がしている。いずれにしても3倍以上のズーム比は自分の視点を定めるのに有害だと思っている。
(PENTAX*istD FA ZOOM 20-35mm F4AL)
2004/04/21






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↑フルカラー(RGB各8bit)の精密グレースケールの両端を表示しています。すべてを正確に画き分けるモニターは存在しないと思います。
しかしながら「14」や「242」が識別できない場合はモニターレベルで顕著な黒潰れや白飛びが発生しています。ガンマユーティリティなどを使ってモニター調整することをお奨めします。
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