![]() |
![]() 下のbackボタンで過去へ進みます。 幻聴日記第1期 INDEX はこちらから ![]() photo and Text: machinist |
|
![]() |
767 Many years | ![]() | パワーアンプを変更して以来、様々な対策を施し、そのたびに変わった変わったと喜んだ中年男をあざ笑うかのように、スピーカーから放たれたサウンドは豹変していた。サスティーンが空間に溶けながら消えていくスムースネスと、シャープなフォーカス。かつて聴き得なかった世界だ。半世紀の前のシアターユースのユニットがここまでデリケートなニュアンスを表現するとは思いも寄らなかった。この変形仮想同軸フロントホーンローディングシステムのポテンシャルが、さらに深いところにあるとさえ思った。 その立て役者は何を隠そう、金属磨き「ピカール」である(笑)。この微粒コンパウンドは古い真空管のピンを磨くために常備しているのだが、ALTECのユニット計8カ所のターミナルの導体接触部分を徹底的に磨いた。ガーゼに付いた黒い汚れは想像以上で、これでは直列にダイオードが入っているようなものだ。 ・ この数週間というもの、プリのバランス伝送化やフォノイコのリニューアルなどを遂行したけれど、ほんの数日でまったく納得がいかないレベルまで堕落していた。甘くて緩くて、艶も消え失せていた。自作機をラインナップしている方なら解っていただけると思うけれど、不調の原因はまずそれら(自作機)に向けられる。仕方がないので、プリアンプの体力測定から行った。といっても各回路の電圧をチェックするだけだが、これで大概の不都合は推定できる。で、問題はまったくなかった。とすれば、アンプの情報がスピーカーに正しく送られていない事態しか考えられない。しかし、ネットワークは素子直付けだし、SPユニットも直結・・・。残すは、ALTECユニットのターミナルか。ウーファーは1960年代中期、ドライバーに至ってはさらに10年も以前のもの。一応、クリーニングはしているのだが、これらの端子に光沢なんてものは元々なかった(笑)。たぶん、銅ブロックにニッケルメッキ処理だと思うが、数十年の風雪がアルマイト皮膜のごとく蔓延っているのだろう。QUADのときにあれだけ闊達な音を出していたから、この黒ずみには深く立ち入らないことに決めていたが、いま目の前のこのサウンドには到底納得できない・・・。で、迷った末の、金属磨きだった。 ・ ぼくは、"純度"原理主義者じゃないので、いまの状態が良いと思えばそこで止めてしまう人間だ。割れ鍋綴じ蓋均衡も大いに歓迎。ただ、今回思ったのは「均衡」などというものは出来るだけ高いクオリティの元で、お互いのポテンシャルを引き出したところで行うもんだということ。いやはや、、、ヨゴレ取りでひとつ成長したような気がしたので、今後はより高い境地の"割れ鍋綴じ蓋"を実践したいと心を新たにした。 |
EOS-1Ds MarkII EF100mm Macro 2006/09/12 |
|
![]() |
766 ハイ・ブリッド・デジタル・フォノイコはどうだろう。 | ![]() | 掲示板関連ネタでご容赦・・・ ・ フォノイコライジングをデジタルで処理するというムーブメントは未だ起きていないけれど、波形編集ソフトのプラグインに装備されているものが、あるにはある。ただ高低で40dB以上にわたる偏差を限られたBITで処理するとなると、低域のBIT落ちやSNの劣化など、困難な問題が多そうだ。 ・ そこで、考えついたのは、2WAY分離サンプリング・デジタル・フォノイコライザー・・・ 1:カートリッジの出力をノンイコライジングでラインレベルまでゲインアップする。(アナログのまま) 2:1kHzを境に、ターンオーバー側とロールオフ側を別々にAD変換する。この際、ターンオーバー側(低域)は信号レベルが低いので、よりハイビットで量子化する。 3:それぞれをデジタルイコライジングしてひとつにまとめ、DA変換するという手法。 いかがでしょう。誰か作りませんかねえ・・・。「2」の帯域分離をどの段階で行うかとか、「3」の重ね合わせ精度とか、解決すべき問題は多いけれど挑戦しがいがあると思う。 ・ そういえば、館山の佐久間駿さんが以前MJ誌に書いていた手法。カートリッジの出力をDATに録音し、そのOUTをフォノイコライザーを経由して聴く。これ、いまでも実践しているのだろうか? 低域のローレベルはごく限られたBITで記録されるから、かなりダメージを受けそうな感があるけど、高域の再現性やハウリング対策には有効そうじゃないですか。 |
PENTAX *istDS SIGMA17-70mmF2.8-4.5DC 2006/09/08 |
|
![]() |
765 トタン屋根の上のカラス | ![]() | 朝方、微睡みのなかにあったのに起こされてしまった。カラスだ。築四十数年のわが家の屋根は亜鉛メッキ鉄板(要はトタン屋根だわ・・・笑)なので、寝室のある二階の頭上2.7メートルに降り立ったカラスの足音は異常に拡大されて聞こえる。今日は懲らしめてやろうとベランダへ出る。人間が目の前にいるのを知ってか知らずか、早朝の収穫を啄みながらスキップしているではないか。足下に落ちていた洗濯ばさみを投げつけてみた。一瞬、こちらを睨み付けたように見えたが、餌を抱きながら向かいのビルの屋上へ飛び立った。いかん、ヤツには余裕がある。彼の視線はこちらを向いたままだ。なにか長い棒はないかと探し出し、銃口の狙いを定めるフリをしてみる。あろうことか、彼は一直線にこっちへ向かってきた。それが箒の柄であることを確認するかのように。まったく、カラスってやつは・・・ ・ 写真:エピステーメー終刊号 杉浦康平デザイン |
EOS-1Ds MarkII EF100mm Macro 2006/09/06 |
|
![]() |
764 7時間のミニオフ | ![]() | 今年は諸般の事情で、ひとさまをお招きするオーディオオフは出来ないだろうと思っていたのに、すでに4回目を敢行した。この日曜日はりゅりゅさんのBBS限定で四人のそれはそれは"ディープな方々"に来ていただいた。りゅりゅさんの他はまったく初対面で、AV&食べ物ブログで著名なCさん、女性ヴォーカル限定で月のCD購入枚数が100枚を越えることもあったというEさん、必要な1本の抵抗のために300本を選別してメーカー製品をリファインしてしまうZさん・・・ ・ 肝心の音は変更箇所が多かったということもあってか、って機械のせいにしてはイカンのだが、納得できるレベルにはならなかった。通常、オフ会のために改めてチューニングしたりすることはないのだが、今回は直前までケーブルやカートリッジの選別、真空管の入れ替えなど迷いまくって、結局のところベストポイントを探し当てることは出来なかった。まあ、長年、ひとさまに聴いていただく経験を積んでくると、「どう、スゴイでしょ。」みたいなシチュエーションも飽きてくるから(笑)至らない部分を話しの種に、議論が盛り上がるのは結構たのしい。じっさいのところ、今回はリスニングより、ダベリの時間のほうが長かったし、この四人の方たちは本音出しまくりで、結構イタイところも突かれたりして、それはためになる催しになった。しかし、女性ヴォーカル命のわが家のシステムなのに求めている"色香"が出そうにないので、定番のバルバラもちあきもキャロル・スローンも掛けることはなく、エイモス・ギャレット、来生たかお、細野晴臣と来たところが返すがえすも悔しい。今年4-5月ごろの一体感はいつ戻ってくるのだろうか。 ・ というわけで、最大のイベントはCさんの調理による"馬刺"宴会。まさに圧巻!無冷凍の生馬肉がこんなにも芳醇で無垢な味がするということを、ついぞ知らないでいままで生きてきた、と思ったほどだ。うちの旧オフィスの向かいに「みの家」という有名な馬肉料理屋さんがあって、一通りのものは食した経験はあるのだけれど、今回のものは格別だった。しかし、タテ髪部分の脂ってのは初めて見たけど、これは焼いたほうが食べやすいねえ。 (注:写真と本文はまったく無関係ですので・・・) |
PENTAX *istDS SIGMA17-70mmF2.8-4.5DC 2006/09/05 |
![]() ![]() |
![]() |
↑フルカラー(RGB各8bit)の精密グレースケールの両端を表示しています。すべてを正確に画き分けるモニターは存在しないと思います。
しかしながら「14」や「242」が識別できない場合はモニターレベルで顕著な黒潰れや白飛びが発生しています。ガンマユーティリティなどを使ってモニター調整することをお奨めします。 このページのすべての要素は製作者であるmachinistに著作権があります。複製使用等はご遠慮ください。 |