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2025/05/10

2302 藤原OTLアンプについて

上杉研究所の最新作。6C33C-Bを用いたOTLアンプである。初段の12AX7はバランス変換用で、これをスルーすると完全バランス伝送アンプになる。藤原伸夫氏の代になって実現した偉業であると思う。諸条件が当方のシステム構成にぴったり嵌まるので終のアンプとして導入した。聴きはじめて3週間経過したが、この音をどう伝えるか迷っているうちに時間がすぎた。

ダイナの厚木氏が、どう鳴るか興味津々とのことで搬入をかねてお越しいただき、まるでミニオフのよう(笑)7時間ほど通電し、このアンプの支配力に驚いた。以前使ったオーディオ専科のほぼ同規模のOTLと現用のアンプジラ2000もそれぞれ固有の支配力があるが、藤原OTLはキャラクタ的味わいは皆無で澄んだ空気のよう。解像感を際立たせたりせず、意識するとそこに在るという感じ。そもそも輪郭的描写がない。これは厚木氏も同意見のようで、真空管アンプの音で似たものはなく石アンプでは出ない音だそうだ。

ノイズフロアの低さとDレンジの広さも驚異レベルで、聴感上の性能も文句なし。入力インピが高いので当方のパワーアンプ3パラ全帯域駆動を難なくクリヤした。装置の中枢はプリアンプでパワーアンプは縁の下の力持ちでイイと考えていたが、最高レベルの縁の下を構築できた。ちなみにプリアンプの違いを明確に示すようで、ジェフは端正で仄かな色艶、テドラは彩度が高く勢い勝負。どちらか迷うが、ノンジャンルでは基本性能でジェフだけど、テドラのアルバート・キングには落涙を隠せない。



2025/02/24

2301 MICHEL PETRUCCIANI "Something Like This" only a part

ESOTERIC X-05B, GAS Thaedra, QUAD 50E, JBL D-123



2025/02/20

2300 オーディオにおけるイメージとリアルを考える。

イメージは頭のなかのリアルを復元する作業だ。そのリアルは原体験と言い換えられる。オーディオが原体験を呼び戻す仕組みであるなら、現れるイメージに精度を求めるのは当然だ。オーディオの進化とはこのことだろう。ところがこの音にはイメージの片鱗もなく無垢のサウンドが屹立している。文句なく素晴らしいと思った。わたしが求めているサウンドはこれだ。モノラルだからかも知れないが更に考える必要がありそうだ。

遊び案内人TONOチャンネル
【後編】WE13AホーンとWE555の魅力に迫る!オーディオはやめられない!
https://youtu.be/AeUHmDwiYPM?si=LR1jGi2gAEI-c8ni



2025/01/21

2299 JBL D123 Floor Reflection System

冴えない外観をなんとかしようと、好きな色味のグレー(下地用途)に塗り直した。内部も手を入れている。平行面にフェルトを貼り、さらにグラスウールを充填したが、まだ調整途中で少ない方が快活だが大音量で喧しくなる。グラントグリーンのIDLE MOMENTSを聴くと演奏者の実在という意味でこれ以上の演出は不要だと思った。とくに後半のジョーヘンダーソンとボビーハッチャーソンが素晴らしい!個人の感想(笑) 命名の由来は小型SPボックスを床ベタ置きでユニットが上に向いているからで、影響の大きい床からの一次反射の時間差を最小にしていて、高い天井高の空間を満たすには最善かもしれないと考えている。
https://youtu.be/EN7uvDUcsjw?si=lzxMoD9RNe0CKw4l

"DJANGO" alternate version not on LP configuration
IDLE MOMENTSのなかの"DJANGO"ロングバージョンである。LP盤では一週間後に録り直したショートバージョンだけが収録られている。しかしCDに収められた追加トラックの奔放なプレイは壮絶! 
https://youtu.be/DawkCC_ratY



2025/01/06

2298 年の瀬の忙しい最中に、アドオン方式のバスレフベースを思いついた。

JBL D123は最小サイズに折り込んだ形状の後面開放箱で鳴らしているが、如何せん低域が足りない!浮かんだアイデアは、この箱の下部にバスレフ構造を組み込んで一体化させるというもの。現物を採寸して必要部材のカットを依頼し、午後に受け取りその日のうちに仮工作。片CHたった4個の部材を両面テープで仮組み。バスレフポートは計算なしの勘決め。それが下の写真である。60年前のOUAD 50Eでさっそく音出し。・・・悪くない、いや相当スゴイぞ。オープンな良さを失わずに低域が加算させた印象。追加ベースは床のグレー色に合わせて浮いた印象にしようか。

という次第で完成したものの、いまいち冴えない外観。全体を同色で塗り直したいがとりあえず完成披露コンサート!

RAY ANDERSON 1988
トロンボーンとベース、ドラムのトリオでこの濃密感!
https://youtu.be/TfQyS-Jq4qE

石川さゆりの朝日楼
浅川マキの日本語詞だが、舞台はニューオリンズではなく立川?
https://youtu.be/bSDyRDqQS8g

相変わらず6世代まえのiPhoneで収録したが、今回から編集ソフトとPCを更新している。
フォーマットはmp4、クイックタイム互換。
再生機材はエソテリックX05B、TVのTOS出力、テドラのプリ、パワーアンプQUAD50Eは同様。

なんかねぇ、まったく構成の異なるメインスピーカーと似たサウンドになってしまった。いいのかわるいのか?



2025/01/06






2024/12/10

2297 28年使っているスピーカーを入れ替えようかと・・・

今年になってJBL D-123オープンバッフルを鳴らし始め、帯域バランスは良くないが屈託のないストレートなサウンドに、求めていたのはコレだと痛感した。いままでの方法が間違っていたとは考えたくないが・・・
ウーファーにALTEC 515Bを使っていた頃は、LCネットワークなしのダイレクト接続だったから、スロート部分の対面にグラスウールを多量に置いて高域を抑えていた。7年前にLCネットワークを再構築してフルレンジのJBL D130に換装したときも、このグラスウールはそのままにしていた。ジュラルミンのセンタードームの鳴きを懸念したからだ。元々フロントローディングの折り曲げホーンから純度のある中低域を出す自信はなかったし、開口部には大きな511ホーンが鎮座しているが、結果がまぁまぁだったので28年も使い続けている。とはいえ若干の猥雑感というかマスクされたような濁りがあったのは否めない。
という次第でメインスピーカーをメーカー製に変えようかと調査を始めたのだが、古い自作品とはいえ粗大ゴミとして出すのはどうかと考え、まずは前記の問題を解決する道を探った。
グラスウールを全撤去し、ホーン内部の定在波を解消するプラン。このホーンはハイパボリック曲線に倣ったカットオフ45HzのCW(幅一定)ホーンなので、スロートから開口部まで定在波が発生している。ホーン内部は62cm幅なので半波長-全波長で274、548Hzを中心に大きなウネリがある。GEQで部屋の定在波と内部定在波を電気的に補整しているが、それは前者だけに止めたいと考え、内部すべての平行面に5mm厚のフェルトを貼った。ホーンは効率を高める手段でもあるから、内部で吸音するのは邪道だが、グラスウールの撤去で帳消しにできるかもと予想した。

結果は・・・
GEQの設定を以前のまま試聴を始めたら当然だけど全然良くない。400Hzから上は補整しないことにしているので、ホーンの定在波が影響する帯域は200、250、315Hzのポイントであり、フラット(補整なし)と比べながら聴感だけで仮補整すると最大3dBの範囲内で収まりそうだ。完璧とは言えないがホーン内定在波が大幅に減少している模様。RTA測定は様々な音楽を聴き込んでから行うことにする。たぶん年明けか。
まずはグランドピアノでグールド、グリモー、ピリス、エバンス。タッチのニュアンスが違う。低弦の角がしっかり出るのに柔らかいハンマーフェルトの感触がある。低域の余韻が消えるまでが長い。右手はコッっとした支えと共に粒立ちが煌めく。ピアノの匂いを久しぶりに感じた。その他、チェロやアコースティックギター、バンドネオンなど主に小編成のものを聴き続けた。
問題の声。アグネス・バルツァのギリシャ歌曲、様々なフランス語が飛び交うバルバラのトリビュートアルバム。声が肥大せずに音の芯と周辺への滲みを描いている。声のダイナミックレンジが想像以上だった。近年のハイエンド系のスピーカーの表現は好みではないものが多いが、それに繋がるような世界もすこし感じた。中低音の全体への支配力をまざまざと感じ、スポイルされていたものの重要さを知った。大編成の楽曲は怖くてまだ聴いていない。



2024/12/10