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 今朝、「チェット+1」を聴いていた。1958年ニューヨークでのレコーディング。副題に「the lyrical trumpet by Chet Baker」とあるようにムーディな曲が並んでいるが、けして甘さに流れているわけではない。ヴォーカルを封印し、Tp一本で勝負する気概が滲み出ている。サイドメンもすごい! ビル・エヴァンス、コニー・ケイ、ハービー・マン、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズ、ケニー・バレル、ペッパー・アダムス・・・ チェット・ベイカーの演奏はいつも高いクオリティを持っているが、このアルバムに聴かれるトランペットの音色は秀逸だ。まるで金コロイドを塗したような柔軟で深みのある輝き。この音がいかにスゴイかを傍らの妻に述べていたら、
じゃぁ、あなた、ここのフレーズを口ずさんでみて、だって。 んなことは出来ない(笑)
ぼくはメロディより音のテクスチュアとか質感に関心があるんだ。三味線音楽もハーモニーではなく、音色の複雑性に価値を見いだしていったのだよ。(以下略)
妻曰く「なんだぁ、たんなるオーディオマニアじゃん。」
・・・ちがうんだけどなぁ。
※写真データ:OLYMPUS E-500/25mmf2.8 |