1733 真空管式OTLアンプについて(その2)
 オーディオ専科カスタムメイド「6C33C-B OTLモノラルアンプ」、無骨な雰囲気がなにげにカッコ良い。予想を超える工作精度で、WBTやローゼンクランツのパーツも違和感なく融け込んでいる。
ヒーター電源ONから1分後にB電圧を投入という儀式が必要だが、非常に安定した動作だ。
添付された実測データシートによると、10Hzで-0.2dB、100KHzで-0.3dBという超広帯域アンプだ。驚いたのは、回路各部分の動作電圧が設計値に限りなく近いということ。平均で3%前後、最大でも10%に納まっている。さらに左右の偏差はその半分くらい。CRパーツをシビアに選別しているのだろう。RはあのA&Bなのだから結構スゴイことだ(笑)
その昔、我が家の2台目のTVは4スピーカーOTLアンプ駆動という仕様だった。 もちろん真空管の時代だ。 キレは良いが、重心がやや高く、さっぱり系の音色。 ある種の偏見でしかないが、似ていたらイヤだなぁと(笑)
CDでクラウディオ・アラウのバッハを聴き、U-Aの「アントニオの歌」をアナログディスクで聴いた。
「名水の湧き水のような」という常套句をつい使いたくなるような、優しさ、自然さがある。歌も楽器もストレスなく立ち上がる。やや、線の細さを感じたのは意外だったが、刻一刻と変化する演奏者の心情をリアルタイムで描いていると感じたのは気のせいか? 響きを克明に描きながら空間の引きを上手く表現することにも感心した。考えてみると、オーディオ歴ウン十年のなかで、モノーラルアンプ2台という構成は初めてだった。
EQに関しては、ソリッドステートアンプの調整値のままなので、低域のバランスは再検討する必要がある。現状、重低域は不足気味なのに100Hz前後はあきらかに過剰だ。ここを追い込めれば、自分比過去最高となるかも。 |