899 Adobe RGB モニター導入記 その2
 前回の写真のようにまっさらな作業画面と右横にパレット画面というツインモニターに慣れてしまったので、ColorEdge CG241を2台という線もなくはないのだが、このように遮光フードを付けると使い勝手がよくない。とりあえず従来使っていたCRTにパレット画面を担当させてみたが、これは使えないということが分かった。カラーモード問題以前に黒レベルがまったく異質だった(笑)ほぼ漆黒に見えるCG241の黒に対して、ブラウン管のダークグレイ地、さらに経年変化で絶対的な輝度が低下しているので、調整すると黒が浮いてしまう。CRTだけ使っている分には使えたが、あきらかにNGだ。
というわけでサブモニターは同じナナオ製のS1921という19インチ液晶を発注した。19インチでありながら1280×1024px表示というところが実は利点なのだ。CG241の1920pxはドットピッチ0.27mmなのに対して、S1921は0.294mm。文字表示が年寄りには優しい(笑) だいたいにおいて、画像だけならドットピッチはいくら細かくても問題ないがテキストを扱う画面でピッチが細かすぎるのは問題だ。 むかしMacが提唱していた原寸思想によれば、ドットピッチは0.35mmくらい必要で、19インチの場合1024px(左右)が妥当なのだが、さすがに現代では粗すぎの印象。
この仕事場では2台のMacでそれぞれOS10とOS9を起動し、モニターは必要に応じて切り替える方式をとっている。右側のパレット画面も同様だ。CG241は二組のデジタル入力(DVI)を備えているが、現在はOS10用がデジタル、OS9は変換アダプタを通してアナログで送っている。これはデジタル/アナログ各入力で直前に適応していたカラーモードを記憶しているから便利というだけの理由だ。当然ながらデジタル入力のほうが滲みがなくて良い。
Adobe RGBモードとsRGBモードの切り替えはフロントパネルのモードセレクタで行う。Adobe RGBでマッピングされた画像を通常のsRGBモニターで見ると彩度の下がった眠い絵になるのは周知のとおりだが、では、ウエブ上のsRGB画像をAdobe RGBモードで見るとどうなるのか。これは先の例と逆の関係で無理にエキスパンドさせたかなりケバイ絵になる。例えていうと、テープのドルビーのON、OFFの関係か。
さらにもうひとつ、モニターをAdobe RGBモードにしてAdobe RGBの画像とsRGBの画像を較べると・・・これは、従来のsRGBモニターと違って明確な差が出るし、sRGBの絵もそれなりに正しく表示される。色空間の内側だから問題はないというわけで、各モードを正しく監視するという意味においても価値があると痛感した。
・・・とすると先のウエブ上のsRGB画像をAdobe RGBモードで見るとケバイという判断と矛盾する。どうもプロファイルの問題のようだ。ウエブサーバーにアップして各種ブラウザでチェックしてみると、Safari(Mac OS10)以外はプロファイルを認識しない。その点、Photoshopでは複数開いている画像に対して、それぞれのプロファイルに従って再描画しているという推測・・・お詳しいかた、どうかご教授を。 |