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photo and Text: machinist

695 Symphonic
1969年5月1日、越路吹雪ロングリサイタル初日の録音が2枚組LPとして残されている。特に好きなのは「君を待つ---人生は過ぎゆく---愛の幕切れ」のメドレーで、のちの名曲「人生は過ぎゆく」を聴衆の面前で初めて歌った記録としても貴重。その針穴に糸を通すような緊張感は何度聴いても凄いもので、屈指のライブパフォーマンスと思っている。
常用の自作フォノイコライザーからSymphonicにかえて驚いたのは、人生の黄昏から闇に向かう諦観ではなく、越路における"宝塚性"の再認識であった。ロングリサイタル体験者であるぼくの妻に聴かせたら、こっちのほうがコーチャンらしい、と言うではないか。オーディオというものはまったく厄介なものである(笑)

自作無帰還CR型が、響きをやや整理し求心性を高める傾向で、主人公は年齢を召したリアルな女性に思えるのに対して、Symphonicではローレベルの信号に潜んでいたであろう"何か"を浮き上がらせるのか、その哀しみは華やかなプロセニアムに縁取られた虚構のドラマといった風情を少しだけ忍ばせている。
CHORD社のSymphonicはスイッチング電源で駆動する新世代フォノイコライザーである。しなやかな肌触りと節度ある色彩感は同じ英国のCREEK製フォノイコと方向が似ているけれど、ノイズフロア近傍の分解能はこちらが数段勝っていて、背景の沈み加減がより立体的だ。しかし、複雑な音形が交錯する様を、わが家の古代ディバイスで構築された装置が感じさせるのは不思議だ。

ひとつのオーディオコンポーネントにおける最終的な音への支配力が如何ほどのものなのか、ぼくには結論が出ないが、フォノイコライザーの能力に依存する部分を他で繕うことは出来ないとあらためて思った。・・・シンフォニーオーケストラがメインメニューだったら迷わずこちらを取るだろう。その名前のとおりに。
PENTAX *istDS SIGMA17-70mmF2.8-4.5DC 2006/05/15



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PENTAX *istDS SIGMA17-70mmF2.8-4.5DC 2006/05/12



693 履歴その2
初めてよそ様のお宅で聴かせてもらったオーディオ装置のスピーカーはGOODMANS AXIOM80だった。ガラードのA型オートターンテーブルに装着されたカートリッジはシュアーM55、アンプはフィッシャーのセパレートタイプ。2連タイプの純正エンクロージャーに装着されたAXIOM80が空間に放つ目映い光彩はいまでも鮮明に覚えている。音に色*があるというのを知ったのはその時だ。(*音色のことではなく色価のようなもの。音色を描き分けても色を感じない再生音はある。)
1965年の府中の片田舎にそんな装置があったというのは奇跡みたいだけれど、じつは裏がある(笑)。当時、東府中には米軍の極東司令部があって、高級将校のハウスが小金井街道沿いに点在していた。広い芝生と白亜の2階建て住居、リビングルームにはグランドピアノもあったにちがいない。そして高級オーディオセット。彼らは1960年代初頭から本国に帰還し始めたので、それらの家財を東府中で処分したという。
当時、わが家にはステレオ装置なんか当然なくて、ビクターの免税プレイヤー(6460円と決まっていた)に左CHはテレビ、右CHは電蓄をばらしたアンプスピーカーに接続した"取りあえずステレオ"でお茶を濁していたが、なぜかオーディオの知識だけはあって、そのお宅のリスニングルームへ入った瞬間、ほとんどの機械の名前は分かった(笑) 写真:八王子散田町「野鴨の家」にて
PENTAX *istDS SIGMA17-70mmF2.8-4.5DC 2006/05/11



692 日常 a
ようやくPENTAX用が発売になったSIGMA17-70mmF2.8-4.5DC。35mm換算で25.5-105mmである。日常風景は、これ1本でほとんど行けそうに思える。全8点掲載!
PENTAX *istDS SIGMA17-70mmF2.8-4.5DC 2006/05/08






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↑フルカラー(RGB各8bit)の精密グレースケールの両端を表示しています。すべてを正確に画き分けるモニターは存在しないと思います。
しかしながら「14」や「242」が識別できない場合はモニターレベルで顕著な黒潰れや白飛びが発生しています。ガンマユーティリティなどを使ってモニター調整することをお奨めします。
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