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584 今日、紀尾井ホールで | ![]() | 紀尾井ホールはシューボックス型の客席数800のコンサートホールである。数年前に故平尾貴四男氏を偲ぶ演奏会で、その柔らかく温かいホールトーンに触れおおいに感銘を受けた。滞空時間が長いにもかかわらず混濁せずに透明度を保った響きは、室内楽や声楽の表現力で国内屈指の存在ではないだろうか。 ここには純邦楽専用として設計された(これも稀な存在ではあるが)小ホールも併設されていて、ぼくの師匠である今藤政太郎氏のリサイタルも例年こちらの小ホールで催されていた。今回あえてクラシック専用と思われる大ホールで開催するということで大いに興味をもっていたが、幸運なことにリハーサルに同席する機会を得た。 ・ ![]() ・ 邦楽器の配置は常識的なものであったが、鳴り物系の下に敷く毛氈を2重にして反射をコントロールしつつ、「ダンプしすぎだなあ。もっと硬くて薄いものにしよう・・・」など、まるでオーディオマニアのようだが、氏は実際にオーディオマニアなのだが(笑)。問題は背後の金屏風だった。金屏風は一見したところ反射板だが、低域に関しては吸収材になるという代物だ。これを撤去してホールの構造的反響板だけにすると、言葉はやはり不明瞭になるが、声の低域はより深く表現され、ちょっといままで聴いたことのないサウンドになった。スタッフの多くは金屏風有りで意見が統一しかかったので、ぼくはあえて異論を申し述べた。「常識的な三味線音楽の響きやバランスを狙うなら屏風有りだと思うけれど、このホールの響きを活かした新しい三味線音楽という意味で、屏風なしがサウンドの一体感もあり断然いいと思う・・・」 演奏会は今月の18日(日)である。はたして屏風はあるのか、ないのか、興味津々(笑)。演奏陣はこんにちの純邦楽の第一人者たちだし、演目に個人的に大好きな「英(はなぶさ)執着獅子」があるから、少しでも興味を持たれたかたは是非お聴きくださいませ。 ・ 今藤政太郎 邦楽リサイタル 紀尾井ホール 2005年12月18日(日)14:00開演(13:30開場) 出演:今藤政太郎、東音宮田哲男、今藤尚之、藤舎名生、中川善雄、望月朴清、藤舎呂船、藤舎呂悦 ほか S席(指定席) 6,000円、A席(指定席) 4,000円、自由席 3,000円 お問い合わせ:CATチケットBOX 03-5485-5999 |
EOS-1Ds MarkII EF24-70mm 2005/12/02 |