1039 TS-E45mmとNIKON D3Xの悩ましい関係について
 中野のFカメラでTS-E45mmの中古を入手した。じつはTS-Eレンズを買うのは今回が3度目である。過去2回分は操作トルクが気に入らなかったりコーティングに擦れがあったりなどで、すでに手放している。この45mmはEOS-1Ds3と50Dで使い回すのには非常に好都合で、先月の広告撮影ではこのレンズの利用率が100%に達していた。それくらいだから新品購入も仕方ないと思ったが、店頭で開封して選別する勇気は当然ないから、コンディションの良い中古に巡り会うのが一番だ。価格も4万円くらい違う。
仕事場に戻ってさっそくテスト撮影を試みた。被写体は先のFカメラでもらったNIKON D3Xのカタログ。サイズ感がつかめるように保有しているお宝カメラを添えてみた。元来、仰角を補正するシフトはほとんど行わなず、もっぱらフォーカスエリアを拡張するチルト機能を活用する。この被写体の場合はほんの僅かのチルトで済むから破綻するような収差も出ない。ただ、過去の経験でいうと収差の出方にも個体差があって、これは2008年販売ロットだからかどうか、かなり良い感触だ。
このA4サイズのカタログは中頃に観音開き4ページ通しの巨大画像がある。左右830ミリもあって、高画素をアピールするには格好の舞台だ。実際その精緻な描写に息をのんだ。高画素カメラとしての完成度、特にライブビューの操作性はEOS-1Ds3のほうが一歩進んでいるのではないかと思うが、問題はレンズだ。
ニコンはD3Xの登場に先だって、電磁絞りとナノクリスタルコーティングで武装したPC-Eニッコールを3種リリースしていて、これはスタジオ用途のデジタル一眼レフの市場をキヤノンから奪還する戦略の一環だ。旧モデルのPC85mmマクロも機械的精度でキヤノンの上を行っていたから、この新シフト3兄弟の登場をもってニコンに鞍替えしようと考えたカメラマンは2000人くらい存在すると思う(笑)
わたくしも、D3Xの登場を機会に一気に・・・と考えないわけではなかったが、昨今の経済環境、今回のTS-E45mmのコンディション、さらにこの撮影で用いたEOS-50Dの操作性の良さなど考えると、しばらくはこれでもいいかと思い始めている。
撮影データ:レンズTS-E45mm F2.8、カメラEOS-50D、ISO100、F18.0、0.3sec.
2048px画像はこちらから・・・(要URLコピペ) http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/04/f1398c9c2ccade2ab61682fd0f842250.jpg |