1183 ふたつの「暗夜航路」
 先日のBSシブヤらいぶ館、キムヨンジャの出演で、やはり「暗夜航路」の表現力はダントツだった。手垢まみれ放題の演歌のなかにあって、でも、ときどきドキッとする楽曲があるがこれはその筆頭ではないだろうか。
聴きながら、そういえば都はるみの「暗夜航路」あったなあ。しばし考え、そうだ!復帰後の最初の大がかりなコンサート、NHKホールの生中継だ。休憩時間もふくめ流しっぱなしの構成で終演まで放送するという太っ腹な番組(笑) BS正式放送が始まって間もない頃で当時はBモードステレオの生放送は最高品質の音源だったから、気合いをいれてS-VHSで録画したものだ。
じつは新しいTVにVTRをつないだのは今日が初めて。もとよりNTSCは走査線をきちっと見せるのが道理と思っていて、それには21インチが限界という考えはいまも変わらない。なので、55インチでは正視に耐えないだろうと予想したら、それほど悪くはない印象。ノイズが味方をしたのか、あるいは面で見る習慣が身についたか(笑)
この日のはるみさんは、非常な緊張状態で歌っており、この曲は自身がプロデュースしたという気負いが随所に感じられる。個々のパーツの精度はいまいちなんだけれど、面で押し切って全体像を示すような歌唱と言えばよいのか。一刀彫りのような粗いエッジ感が、表層を突き抜ける存在感を示したと思う。
その点、シブヤらいぶ館のキムヨンジャは針の穴を通すような精緻感と長年唄い込んで身についた抑揚のコントロールが見事!現役演歌歌手としてはトップだと個人的には思う。いずれにしても両者スゴイ歌い手だ。ちあきだけが歌手じゃない(笑) |