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2012/06/27
1455 自作オーディオについて、ちょっと長い話(改訂)

自作スピーカーシステム "AirsEdgeOne"。2年の準備期間と6か月の工作を経て1996年夏に完成したオール・ホーンローディングタイプだ。その半年後に計画を開始した管球式プリアンプ。MC型カートリッジをダイレクトに増幅するフォノイコライザーは、CR素子をDCバイアス下に置いた無帰還方式。カタチになったのは1999年の暮れであったが、メーカー製プリアンプと選手交代できたのは2003年ごろだった。トータルでこの間ほぼ10年である。寝ても覚めてもこれらの機器を考えていた。寝る前に設計図(回路図)を確認し、夢うつつの中で試行錯誤という日々だった。

もともと文系(じつはその他系)の人間だから、基礎を学ぶところから始めた。スピーカー理論、増幅回路、実装技術etc... ちょうど40代初めから50歳を超えるころまでの期間である。本来なら仕事盛りであるべき人生の重要期をオーディオ三昧で過ごした。それは後になって大いに悔むことになる。これらの機器の作成に費やした金額は軽自動車一台程度であったが、時間給で換算したらいったいどれほどのものだろう?怖いから計算しないが、ハイエンド機器を購入できる規模なのは間違いない・・・、という話ではなく(笑)この黄金期の努力を本業のデザインに振り向けていたら、ひとかどの存在になっていたのではないかと反省していたのだ。

今朝方、マッサージ椅子に体を沈めながら、グールドの「ゴールドベルグ変奏曲」を聴いていた。この数日、全体のゲイン配分を考え直し、EQ機材の最適位置を再検討したので、その成果を確認したかったのだ。普段はアナログディスクで聴くことが多いこのアルバムをCDで聴き、ほぼ理想ではないかと思えるパフォーマンスに納得した。鋭角(俊敏)でありながらしなやか(音楽の時間が繋がっている)強打鍵の浸透力と彼の呻きが違和感なく共存している。

こんな分析をしながら、あの10年のことを思っていた。失われた10年ではなかったかもしれない、と。今の体力で "AirsEdgeOne" を作る根性はないし、MT管周辺のパーツ付けをする視力にも欠ける。一方で本業のほうは問題なくで出来ているし、充実もしている。あの10年といまの10年を入れ換えただけじゃないか!当時は仕事で使えるようなデジタルカメラはなかったし・・・グールドの響きの静かな光彩とともに急に目の前が明るくなったような気がした。



2012/06/26
1454 セシウム街道をゆく

スタンフォード大学教授 西 鋭夫氏、気迫のこもった文章。必読です。
http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-1366.html


※カレイドスコープさまのサイトをリンクさせていただきました。






2012/06/25
1453 再びカラーモードについて

デジタルカメラで撮影した写真を商業印刷で用いる場合は、CMYK変換直前まではAdobeRGBで通している。モニターがAdobeRGBモードを表示できるのなら、印刷された状態をほぼ把握できる。問題はウエブ用途の写真である。こちらはsRGBというカラーモードで統一されているはずなのだが、昨今の液晶モニターではこの規格より拡大された色域を表すケースが多い。この場合、正しく色域制限を行えばsRGBを忠実に再現できるが、ハード的に彩度コントロールができない機種が多いし、ユーザーも鮮やかな色調を好む傾向があるから、たいていは、ハレーションを起こしたような極彩色の写真を見せる羽目に陥る。

この幻聴日記に掲載している写真はsRGBモードオンリーだが、近年はノートPCで確認した上で再調整を施す場合が多い。蜷川実花さんの写真ようなトーンを求めないかぎりは・・・

Nikon D800 + AiNikkor 35mm f1.4



2012/06/21
1452 NANAO ColorEdge CG275W

5年ぶりに仕事用のモニターを入れ換えた。27inch 2560/1440pxのAdobeRGB仕様だ。
この機種は簡易測定器が内蔵されていて自動キャリブレーションを行えるのだが、望ましい結果は得られなかった。仕方なく、以前の機種(CG241W)と同様に目視で調整を行っている。
調整目標はプロセスインキの色再現、それとデータとその印刷物がどれだけ似るか、それだけだ。もとより、発光体である液晶画面と反射光で見る印刷物が、同じになることは原理的にあり得ず、容易な作業ではない。この段階(写真)から、色温度を上げないで青系をもう少しビビットにするのが当面の目標。黒レベルはもう少し締めたいところだが、検証用途なのでこんなものだろう。



2012/06/08
1451

所有するNikkorレンズがすべてMFということもあって、D800の出番がなかった。36Mpxの真価を発揮させる自信はないが(笑)湿気を帯びた質感に驚いた。こういうシチュエーションでは800Eより好ましく、まさに超微粒子フィルムのテイストではないだろうか。
Nikon D800 + AiNikkor 35mm f1.4



2012/06/08
1450

Nikon D800 + AiNikkor 35mm f1.4



2012/06/08
1449

上のカットと同じアングルからテーブルに映る椰子の木を撮った。
Nikon D800 + AiNikkor 35mm f1.4





2012/06/04
1448 If I Tell You I Love You

メロディ・ガルドーのメジャー3枚目のアルバム「The Absence」がようやく届いた。このアルバムは今後の動向の分岐点になるのではと、じつは一抹の不安を持って聴いた。前作「MY ONE AND ONLY THRILL」のゴージャスサウンドは引き継がれたが、それらの表層をはね返す強靱さを感じた。ファーストアルバムを聴いたときに10年に一度の歌姫と日記に書いた気がするが(No.1022)、20年にいちど現れるかどうかのアーティストと変更したい(笑)

EOS-1D + ULTRON 40mm F2




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