914 音を気にしないオーディオというものに
 低域はスペース
高域はマテリアル
そして、中域は
ソウル、だ。
・・・ちょっと、クサいか(笑)
つい昨日のことなのだが、アルテックのドライバ側に入れていたハイブースト・イコライジングを外した。2004年の5月に考案したパッシブ回路で、以後3年半にわたり採用してきたのだが、すっぱり止めた。
一週間ほど前に、CDPのインタコをルボックスB226に付属していた古いケーブルに換えてみて考えるところがあった。そして、真性ナローレンジの道に戻ることを決めた。
思えば、未知の音楽に感動した体験は、ほとんどラジオからだった。凄いオーディオセットの音に驚愕することは今でももちろんあるが、それは「音」そのものなのだ。その先に行くバリアになることさえある。
音楽は音を通して伝えるものだから、音は良いに越したことはない。しかし、なぜかその圧倒的な音響の驚愕に止まってしまうジレンマ。 そのあたりは個人差があるのかもしれない。
3年半前とはフロントエンドもパワーアンプも変わっているし、さらにSPエンクロージャーも進化(?)しているから、後退というわけではないのだが、以前はラヴェルの色彩もドビュッシーのトーンのうつろいも出なかったから仕方ない選択だったが、昨夜聴いた印象では、なんでもっと早く実行しなかったのか、との思いが強い。
アートペッパーの「モダンアート」とロリンズの「オン・インパルス」を聴いていてやはり、余計な策略は音に出るんだなあと痛感。演奏の実在感という意味で"シンプリティ"はやはり強力な武器だった。
音が気にならないオーディオ。これは変わらぬ目標だ。 |