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下のbackボタンで過去へ進みます。 幻聴日記第1期 INDEX はこちらから photo and Text: machinist |
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070 普通の音 その2 | | カラヤン指揮のフィルハーモニア1954年録音の「タイースの瞑想曲」。ソリストはこのオーケストラのコンサートマスターであるマノウグ・バリアキン。緻密なアンサンブルとソロパートの融合と対比が見事だ。織物の縦糸の一本がすーっと抜け出てソロになる構図を、このモノラル録音はよく捉えている。 思いかえすに、すごーいオーディオ装置の聴かせる音で、音楽そのものに感動した経験はあるけれど、けして多くはない。大げさでないカーステレオやシンプルなラジオから流れる音楽に、こころを奪われた思いは数え切れないくらいある。たいていは小さなフルレンジスピーカーが付いていて、当然のごとくナローレンジだ。しかし、そのことに音楽性があると考えているわけではない。周波数レンジが狭いのはハンデには変わりない。問題なのは音の「質」そのものだ。シンプルなラジオの鳴らす音は質が高いと考えている。アンプメーカーが主張する歪み率とここでいう質とは相関関係がほとんどない。「質」の内実は、複合波形を再構築する「喚起力」であると思っている。再現力ではないことに注目してほしい(笑)。(次回はちょっと長い) (PENTAX*istD FA ZOOM 20-35mm F4AL) |
| 2004/05/20 |
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069 普通の音 その1 | | 風邪でダウンして一週間、薬でムリヤリ熱と咳を抑えているけれど、こういうのは治りが遅い。元来、熱も咳も生体の自己防衛機能だから、薬で抑えれば症状は出ないかわり自己治癒力を放棄したようなものだ。とはいえこの年になると39度以上の熱は耐え難いものがあるから・・・って、なにを言ってんだか。というわけで布団のなかでラジオから流れる音楽を聴いていた。大仰なオーディオ装置はだめだ。音が悪い(笑)。複雑な機械の出す音は、音と音楽のあいだにバリアをつくる。30年くらい前のトランジスタラジオだけど、つくづく良い音だと思った。この小さなフルレンジスピーカーの表現する世界は、音楽を再生するのになにが大事なのかを教えてくれる。でもそれは、単純なはなしではないのだ。(つづく) (PENTAX*istD FA ZOOM 28-105mm F4.0-5.6IF) |
| 2004/05/19 |
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068 IN A SILENT WAY | | 御苑に面したオフィスから新宿駅まで歩いて帰るのが日課だ。この日(17日)は空のトーンが普段と違うんで、なんとか写真に収めたかった。ぼくはフィルム時代の癖で、たいてい1枚しかシャッターを押さない。露出変えて何枚も撮るまえに、アングルを変えてしまうから、使える写真になっているかどうかは、そのときの運だ。デジタルになって一応の確認ができるとはいえ、確認したところで、こういう時間帯はあっというまに光量が変化するんで、やはり運だね。画像加工は基本的にはやらない主義だけど、カメラ側のコントラストを最低にセットしているので、黒の沈みかたは結構シビアにチェックする。WINDOWSマシンをデフォルトで見てるひと(ほとんどがそうだ)には黒が落ちすぎて見えるのがこころ残りなのと、スローシャッターで若干ブレている。まあ空の色に免じてお許しを・・・ (PENTAX*istD FA ZOOM 20-35mm F4AL) |
| 2004/05/18 |
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067 真夜中の女歌手 BARBARA IV | | 017-019でバルバラのことを書いた同じころ、あるサイトが公開に向けた準備の佳境に入っていたはずだ。日本でたぶん初めてのバルバラのファンサイト「PLANETE BARBARA」の登場。だれも作らないなら、いつかは自分で作らなければ、と思っていたけれど、とても嬉しい出来事だった。継続、発展をこころから願って、エールを送りたい。ところでこのサイトのディスコグラフィでも1959年のレクリューズの拍手は後で入れられたものと記されている。CDの編集はオリジナルに戻っただけということらしい。12インチの日本盤LPでは、あの芦原英了氏もだまされたということか?(レコード芸術レビュー)。ぼくも70年代にNHK脇の川沿いのシャンソン喫茶で聴かせてもらったおり、あのささやかな聴衆の気配にコロリと行ったひとりだった。ところで本国のサイトでは「Les Amis de BARBARA」が充実しているし、見たこともないバルバラの素敵なショットがある。 (PENTAX*istD SIGMA 18-50mm/f3.5-5.6DC) |
| 2004/05/17 |


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↑フルカラー(RGB各8bit)の精密グレースケールの両端を表示しています。すべてを正確に画き分けるモニターは存在しないと思います。
しかしながら「14」や「242」が識別できない場合はモニターレベルで顕著な黒潰れや白飛びが発生しています。ガンマユーティリティなどを使ってモニター調整することをお奨めします。 このページのすべての要素は製作者であるmachinistに著作権があります。複製使用等はご遠慮ください。 |