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![]() 下のbackボタンで過去へ進みます。 幻聴日記第1期 INDEX はこちらから ![]() photo and Text: machinist |
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212 My Favorite Cinema II | ![]() | Wrong Move「まわり道-1974」 ヴェンダースの「パリ・テキサス」は公開当時、ライ・クーダーのサウンドの触感とあいまって好きな作品だった。最近見直してみたら、家庭を捨てた中年男の身勝手さだけが目について、かっこ悪!と思ってしまった。初期の「まわり道」はロードムービーのシンプルで平坦な組立てが些細な出来事にライブ感を与えている。ナスターシャ・キンスキーが聾唖の少女役で出演していて、目の演技がすでにその魔性を顕わにしている。 「デッドマン-1995 ジム・ジャームッシュ」はニール・ヤングのギターを全編にちりばめたウエスタン版ロードムービー。モノクロームの画面が不思議な事象を巧みに伝えている。撮影はロビー・ミューラーで個人的には大嫌いな「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を撮った人、自然なのになぜかユニークな視線が好きだ。(PENTAX*istD FA135mm F2.8/IF) |
2004/11/27 |
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211 My Favorite Cinema I | ![]() | The Sacrifice「サクリファイス-1986」 西側に亡命したタルコフスキーが最後に手掛けた作品。日常が徐々に蝕まれ世界が破滅に近づいていくという重いメッセージなのだが、最後まで飽きさせないテンションと澱のように沈殿する重層的な質感にただ見入ってしまう。この作品は2、3回見ただけでは、その雰囲気に呑まれるだけで核心には到達できそうにない。 英国のマルチアーティスト、フィリップ・リドリーの初長編作品であるThe Refecting Skin(柔らかい殻-1990年)は鮮烈でしかも分かりやすいけれど、具象的な事実を重ねながら見えない大きなものを伝えている。一面に拡がる黄金色のトウモロコシ畑と青い空。少年の目を通した尋常ならざる人間の生業と儚さ。その映像の浸透力はずば抜けていると思う。ここにマイナスの輝きを重ねると、「サクリファイス」と同質の自然観が見える、といったら言い過ぎか。(PENTAX*istD FA135mm F2.8/IF) |
2004/11/27 |