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669 WEとわが家の音の関係 | ![]() | ウエスタンのスピーカー体験は過去に2回だけである。エイフルという狭山のショップの728B、アンプは浅野勇氏が制作した50シングルのオリジナル品で、武満徹のノーベンバーステップスを聴いた。もうひとつは新氏の試聴会での755A。いずれもが、太くしなやかで芳醇なサウンドを放射していた。フィールド型ウーファー4181や594、555ドライバなどと大型ホーンを組み合わせたシアターシステムは残念ながら聴いたことがない。見果てぬ夢を抱きつつ、自己増殖するイメージのなかで鳴るウエスタンの響き。それは前記フルレンジスピーカーの延長上にあるわけだが、実をいえばわが家のシステムが目指すものと多くの部分で重なっている。中低域を軸にしたストレスのないしなやかな、それでいて時には天を突き抜ける咆哮・・・と言葉にするとかなり虚しい(笑) ・ 先週末、家族が出払った間隙をぬってシステムの想定限界音量(ピーク値 110-115dB/1m)でDavid Liebman「TRIO+ONE」を聴いていた。空気が乾いていたせいもあるのか、いつになく俊敏かつ付帯音皆無のクリアネス。そこで、キャロル・スローン初期のマイフェバリットアルバム「Early Hours」をかけてみる。「I love you pogey」最初のフレーズ、I... lo...ve......ここですでにノックアウトされた。清楚でありながらボディのある、でも厚すぎることのない肉声。頬の輪郭を微かに滲ませながら彼女の背後を予感させる空間描写。そして音が消えかかる刹那の静寂。一関ベイシーで聴いたビリー・ホリデイの艶やかさと陰影は望めないまでも、いまこの空間において、これ以上の再生音楽は想像できなかった。わが家のオーディオはすでにピークを迎えてしまったのだろうか。嬉しさと一抹の寂しさを思った春の宵。(なにぶん4月1日の出来事なのでやや説得力に欠けるのが残念・・・) |
PENTAX *istDS FA31mm F1.8AL Limited 2006/04/03 |