|  |  下のbackボタンで過去へ進みます。 幻聴日記第1期 INDEX はこちらから  photo and Text: machinist | 
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| 672 落語の・・・ |  | "マクラ"のことを考えていた。噺の冒頭につける世間話のようなあれである。ここには観客へ向けたさまざまな企みが隠されている。"マクラ"の振り加減で聴衆の反応を見て、これから始める噺の演出を勘案したり、あるいは演目自体をそこで決める強者もいたという。また本題の「サゲ」を理解させるための伏線を忍ばせることもあるので、安穏と聞き流すと"オチ"が理解できなかったりするスリリングな面もある。 で、明け方、布団の中のウツラ状態で思ったのは、"マクラ"の真意はニュートラルの提示にあるのではないかということだ。義太夫における"オクリ"やインド音楽の"アーラープ"もそうかもしれないが、これから始まるドラマにおけるゼロ基準を送り手、受け手が共有する、あるいは演目に対するスタンスを演者自らが明らかにすることで、表現の振幅を正しく伝えたいという・・・。相変わらず理屈っぽくてスマン(笑) | 
| PENTAX *istDS FA31mm F1.8AL Limited 2006/04/11 | 
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| 671 |  | さくら吹雪のリクエストがあったのだが撮れなかった。イメージの世界に昇華された、いわば原風景だから、上手く撮れるわけがない。で、そのかわりに御苑へ行って下ばかり見て撮ったのがこの一枚。けっこう気に入っている。そういえば、ちあきなおみの「花吹雪」はいい歌だ。 | 
| EOS-1Ds MarkII EF16-35mm 2006/04/06 | 
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| 670 1936年の光彩をとどめている |  | これは昭和11年に発売されたSPレコードアルバムの内ジャケット。全ページがプロセスカラー印刷で、用紙も石灰質をコーティングした高級紙。70年の歳月を感じさせないビビットな発色に驚いた。この時代は電気吹き込みの成熟期でもあり、声の表現などは現代録音よりも実在感があるというのは嘘ではない。演奏は杵屋清五郎という歴史には残らなかったけれど本物の長唄をはじめ、おおらかで品のある名手たち。・・・時代の束の間の輝きだったのか。 | 
| PENTAX *istDS FA31mm F1.8AL Limited 2006/04/05 | 
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| 669 WEとわが家の音の関係 |  | ウエスタンのスピーカー体験は過去に2回だけである。エイフルという狭山のショップの728B、アンプは浅野勇氏が制作した50シングルのオリジナル品で、武満徹のノーベンバーステップスを聴いた。もうひとつは新氏の試聴会での755A。いずれもが、太くしなやかで芳醇なサウンドを放射していた。フィールド型ウーファー4181や594、555ドライバなどと大型ホーンを組み合わせたシアターシステムは残念ながら聴いたことがない。見果てぬ夢を抱きつつ、自己増殖するイメージのなかで鳴るウエスタンの響き。それは前記フルレンジスピーカーの延長上にあるわけだが、実をいえばわが家のシステムが目指すものと多くの部分で重なっている。中低域を軸にしたストレスのないしなやかな、それでいて時には天を突き抜ける咆哮・・・と言葉にするとかなり虚しい(笑) ・ 先週末、家族が出払った間隙をぬってシステムの想定限界音量(ピーク値 110-115dB/1m)でDavid Liebman「TRIO+ONE」を聴いていた。空気が乾いていたせいもあるのか、いつになく俊敏かつ付帯音皆無のクリアネス。そこで、キャロル・スローン初期のマイフェバリットアルバム「Early Hours」をかけてみる。「I love you pogey」最初のフレーズ、I... lo...ve......ここですでにノックアウトされた。清楚でありながらボディのある、でも厚すぎることのない肉声。頬の輪郭を微かに滲ませながら彼女の背後を予感させる空間描写。そして音が消えかかる刹那の静寂。一関ベイシーで聴いたビリー・ホリデイの艶やかさと陰影は望めないまでも、いまこの空間において、これ以上の再生音楽は想像できなかった。わが家のオーディオはすでにピークを迎えてしまったのだろうか。嬉しさと一抹の寂しさを思った春の宵。(なにぶん4月1日の出来事なのでやや説得力に欠けるのが残念・・・) | 
| PENTAX *istDS FA31mm F1.8AL Limited 2006/04/03 | 


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| ↑フルカラー(RGB各8bit)の精密グレースケールの両端を表示しています。すべてを正確に画き分けるモニターは存在しないと思います。 しかしながら「14」や「242」が識別できない場合はモニターレベルで顕著な黒潰れや白飛びが発生しています。ガンマユーティリティなどを使ってモニター調整することをお奨めします。 このページのすべての要素は製作者であるmachinistに著作権があります。複製使用等はご遠慮ください。 |