幻聴日記
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006 中野クラシック、ここだけは空気が止まっていた。

フジヤカメラのついでにちょっと寄ってみようかと。あやー開店前だ、人の気配もない。
五木寛之の若き日のエッセイ「風に吹かれて」にも登場するこの名曲喫茶。前回行ってから30年ちかく経つけれど、その頃も今と同じくらい朽ち果てた雰囲気があった。なんか人間の皮膚のようで、こういう行き方もあるなあ、などと考えながら駅に向かったものです。
ちなみに中野ブロードウエイに住む友人に聞いたところでは、1:粉を溶かしたようなオレンジジュースは昔と同じ、2:壁には寄りかからないほうが賢明、とのこと。ご参考までに。
(PENTAX*istD SIGMA 18-50mm/f3.5-5.6DC)
2004/03/10


005 挫折してわかるストラトの包容力

というわけで、ダキストに挫折したのは、これを長いこと使っていたからかもしれない。ストラトキャスター54年モデルの、これも復刻版。ガラ巻きコイルのPic Up「ブルーベルベット」を装着しているんだけど、この艶やかでクリーミーなサウンドは侮りがたい。ネックの太さを考えればカッティング奏法に向いているんでしょうね。でもわたしはこれを指で弾きます。
で、○○歳になったらストリートデビューしようと、けっこう真剣にトレーニングに励んでいた時期もあったのに、もはやその時期も過ぎていまは停滞している。でもこの楽器にふれていると、いつの日か数人の聴衆をまえにチェット・アトキンスアレンジの「イエスタデイ」を弾いている自分がイメージできるんだよね(笑)。
(LEICA DIGILUX1)
2004/03/10


004 ザ・ニューヨーカーのDNA、あるいは栄光と挫折

James L. D'Aquisto(1935-95)の代表作「NewYorker」。これはレプリカですけど、原図から忠実に再現しているだけあって、やはり大したものでありました。見ているだけでケニー・バレル「Midnight Blue」の"Soul Lament"が弾けそう思えてくる。しかし現実は・・・わたしの好む低い絃高ではこの楽器の本当の音色を引き出せない。1絃011も論外のようで、「キミには無理だよ。」ギター本人が諭すように伝えてきた。そういえばこのギターの前の持ち主も、弾きこなせなくてレスポールに戻ったんだっけ。恐るべしギターのDNA。。。
(LEICA DIGILUX1)
2004/03/10


003 非マニア宣言!較べることに飽きたんだよね。

オーディオ装置は、けっこう複雑な系で成り立っているから、なにかを換えれば音はかならず変化します。オーディオマニアはそういう不安定な仕掛けを楽しんでいるのかもしれないけれど、わたしはマニアではないので、いつも同じコンディションで聴きたいし機械のことは出来れば考えたくない。くるまのフロントマスクは運転しているときは気にならないものです。ちょっとはなしが違うか(笑)。機械の出す音はそれぞれ異なるけれど、機械同士を較べてどうするんだと個人的には思うわけです。較ぶべくは音楽との距離であって、いつも一対一の関係ではないか、とね。
(PENTAX*istD FA ZOOM 28-105mm F4.0-5.6IF)
2004/03/09


002 関連付け・・・

SP盤の話題が続きます。
昭和10年頃の日本コロムビアの長唄や、ほぼ同年代のサボイ盤のチャーリー・パーカーなど素晴らしいハイファイサウンドに思えます。F、Dレンジとも不満なんてまったくない。これをCDRに記録して再生すると、大幅にクオリティダウンして聴こえるのが不思議。気になるのでリッピングデータをFFT分析してみると、ノイズ成分は20KHzまで伸びている。
ここで、仮説をひとつ。
脳は楽音とノイズを関連づけて、記録されていないはずの高域を感じているのではないか、と。「だまし絵」というのか「判じ絵」というのか、ありますよね。あれと同じか。
ノイズをカットした復刻盤の音が悪い理由がわかったぞ(笑)
(PENTAX*istD FA ZOOM 28-105mm F4.0-5.6IF)
2004/03/09


001 イエスタデイズ

ビリー・ホリディの歴史のなかでコモドア時代の録音がとくに好きです。この「YESTERDAYS」は1939年のセッションで、有名な「奇妙な果実」と同じ日に録音された4曲のうちの一つ。幸せだった日々を淡々と唄っています。
つい昨日、この曲のオリジナルメディアであるコモドアのSP盤を入手したのです。もう片面は「I gotta right to Sing the Blues」。N.Y.5番街のBrunswick RecordのBdcstg Studioで収録された、と日本盤のLPに解説がありました。
SP盤が廻ると、音みぞを通して65年前のビリーとダイレクトにつながるような気がします。
(PENTAX*istD FA Macro 50mm F2.8)
2004/03/09




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