光とはなにか、色とはなにか?


光は「電磁波」の一領域です。波ですから波長という基準があり、ごく短いものから無限大に長いものまで存在するはずです。「可視光」という言い方はまったく人間の都合で決めたものですが、波長の長い部分の「赤」から、短い方の「紫」までの連続したカラースペクトルを形成しています。また光として関知できない領域の長い方のエリアを「赤外線」、短い方を「紫外線」と呼びます。 虹の七色とか三原色とか言いますが、これも実は人間の都合で括られているのであって、虹の22色でも、五原色でも一向にかまわないのです。
なお人間の視細胞は輝度を感じる「杆体」と赤・緑・青紫に反応する「錐体」で成り立っています。テレビジョン技術でいう「Y・C分離」になっているところが面白いです。 *Y:輝度信号 C:色差信号

カラースペクトル

すべての光源は特有のスペクトルバランスを持っていますが、標準として太陽光線のそれを基準にしています。人間が色を感じるということは、さまざまな光源がある特定の「もの」に影響し現れる、固有のスペクトル値を感じるということに他なりません。「影響」と記したのは、反射による物体色の他にもLEDや光源など、そのものを色として感じるケースがあるからです。
というような堅苦しい話はどうでも良いのですが、私が興味を持ったポイントは「色は波長の異なる複数の波形の合成」なのだから、すべての色彩現象(色相・彩度・明度を含む)は一本の波形で表せるはず・・・ということなのです。色彩学の本など、斜めにスキャン(笑)してみましたが、それらしい記述は見つかりませんでした。色立体とかになってしまうのですね。
世の中の事象をなるべくシンプルに表現することをモットーにする当研究室では、先に挙げた「YC分離」を手がかりに、さっそくトライしてみました。
まず、波形の概説です。 グラフの横軸は、時間経過ですが音波と違いとても短時間です。波形のピークtoピークが波長ということになります。長いものが「赤」短いものが「紫」です。グラフの縦軸はエネルギーの強弱をあらわします。波形の振幅で彩度の大小が表現できます。

振幅が十分に大きければ彩度が高い(左)

問題となるのは輝度(無彩色)のあつかいです。下図のように振幅をなくしてエネルギー量のみを表現することで、一応の格好がつきますが、波というものは振幅があることで進むのですから黒以外は破綻しているように見えます。そこで白やグレーは波長の異なる複数波形の合成と考えれば(右図)、合算値でこのような形になることが可能です。

左上はホワイト、中央はグレー、右下はブラックを表す。右図のように合成波形として捉える。

以上で、色相・彩度と輝度の定義?ができましたので、あとは適時組み合わせれば「色表現波形」の完成です。

上から、明るいグリーン、グレーがかった紫、暗い赤。
 


補足事項ですが、例えば自然界の「緑」はこのように単純なものではなく、複数波形が組み合わされた結果です。ここで扱ったグラフは、事象をシンプルに表現するための「モデル」であることを改めて申し添えます。

で、ご質問の「何の役に立つのか?」ですが・・・・・・・う〜ん。

INDEX >>>